チームが一体になって、目標の実現へ進む上で、タックマンモデルとともにもう一つ、参考になるモデルがあります。

それが、『チームの成功循環モデル』 です。

 チームの成功循環モデルとは、 組織が成果を上げたり、成功に向かって進んでいくために、重要視しなければならないポイントを示唆してくれるモデル(理論・考え方)で元MIT(マサチューセッツ工科大学)教授 ダニエル・キムが提唱した、組織のマネジメントにとても役立つ理論です。

どのようなチームや組織であっても、「結果」が求められます。

結果と言っても、チームにより様々な価値基準があり、たとえば、「全国大会でベスト4になる」「このチームからプロになる選手を3人輩出する」などのような、目に見えた数値的な結果を目指すチームもあれば、「テクニックに優れたチームになる」など数値では表現しきれない結果を目指すチームもあります。それが、上図の【①結果の質】です。そして、通常(一般的には)、「結果」を出すための組織のアプローチとして、【③行動の質】の改善や変化に意識を向けたアプローチを行い、さらには、それらの行動を改善するために、【②思考の質】へアプローチして、考え方や啓蒙を行います。多くのチームや組織では、②までのアプローチは意識的に行っていますが、【①関係性の質】へのアプローチはほとんど行われていません。

 

『成功循環モデル』を提唱したダニエル・キムは、様々な調査・研究・実践から、【①関係性の質】の改善が重要なポイントであることを提唱し、成功する組織は例外なく、【①関係性の質】が良好であることを発見し、『グッドサイクル』が循環していると結論づけました。それと同時に、結果が出ない組織では、『バッドサイクル』が循環しているといいます。

 

【バッドサイクルなチーム】④→①→②→③→④・・・

バッドサイクルが循環するチームは、フォーカスを常に目に見えるものに向けています。つまり「結果の質」「行動の質」です。

それは、無意識に「結果を変えるには、行動をマネジメントすればいい」という思い込みを持っている可能性が高いのです。

 

バッドサイクル例)

①成果・業績が上がらない(結果の質)

②対立が生じ、押し付け、命令・指示が増える(関係の質)

③創造的思考がなくなる、受け身で聞くだけ(思考の質)

④自発的・積極的に行動しない(行動の質)

⑤さらに成果が上がらない(結果の質)

⑥関係がより悪化する、なすり合い、自己防衛(関係の質)

 

 

【グッドサイクルなチーム】①→②→③→④→①・・・

グッドサイクルが循環するチームになるには、フォーカスを、「結果の質」ではなく、「関係の質」を重視してマネジメントしていくことが重要です。

「結果」や「行動」は目に見えてわかりやすく、判断もしやすいのですが、ここにフォーカスすると、バッドサイクルの状態になりやすいのです。

もちろん、結果や行動はチーム運営をする上で大切な要素ではありますが、結果や行動が変わるのは、「思考」や「関係性」という“プロセス”が変わった結果です。

 

グッドサイクル例)

①互いに尊重し、結果を認め、一緒に考える(関係の質)

②気づきがあり、共有され、当事者意識を持つ(思考の質)

③自発的・積極的にチャレンジ・行動する(行動の質)

④成果が出てくる(結果の質)

⑤信頼関係が高まる(関係の質)

⑥もっと良いアイデアが生まれる(思考の質)

 

目には視えず、無意識であることの多い『関係性』は、実はチーム創りに大きな影響を及ぼしています。たとえば、、、、

  • 監督や指導者の顔色を伺いながらプレーしている選手。
  • メンバー同士でもグループごとに対立が起きているチーム
  • お互いに心底からの信頼関係を築けていないために起こる、試合での自分勝手なプレー
  • 実力や上下関係、役割の縛りから脱皮できず、上の立場のメンバーは一方的で、下の立場のメンバーは遠慮して何も言えない
  • ライバル心が行き過ぎて、誰かを蹴落すために、批判しあい、いじめが起こるチーム

・・・思い当たることはないでしょうか?

 

私たちのチームビルディングでは、「関係性の質」にも焦点を当て、メンバー同士やチームスタッフも含めた関係性に及ぼし合う影響を好循環のサイクルが回るようにサポートし、理想のチーム創りのお手伝いをしています。

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